12月になると、Jリーグのシーズンも終わり、次年度に向けた選手の移籍に関する動きが活発となってきます。
チームによって契約満了を告げられる時期は多少は異なりますが、概ねこの時期に集中して選手の契約更新、契約満了のニュースがリリースされます。
サッカークラブのチーム編成はパズルのような性質があり、クラブが欲しい選手が取れなかった場合、その次の候補にアタックするように、順々にチーム編成が決まっていきます。
そのため、特定の選手にはオファーが集中し、その結果次第でその選手を獲得できなかったチームは次の選択肢を探すということが繰り返されます。
そのため、J2、J3、JFLのクラブになるとなかなかチーム編成が決まらなかったり、また選手の立場からも、他の選手の動向次第で移籍先の候補が変動するという状況になります。
移籍を考える選手にとっても、オークションに似たような状況となり、どのタイミングで契約を決めるかという点は悩ましい問題だと思います。
私は選手に助言をする際には、「サッカーを通じて何を実現したいか」という点を選手自身によく考えてもらうよう話します。
選手の立場からすれば、少しでも良い金銭的な条件、試合出場機械の確保、上位カテゴリーでのプレーなど、色々要望が出ますが、全ての要望が叶うことは多くありません。
選手が若手なのか、ベテランなのかでも考え方が異なる部分はあるかとは思いますが、特に若手の選手について言えば、試合出場機会があり、選手として成長できる環境でプレーをすることが良いと考えています。
試合出場の機会があまり見込めない上位カテゴリーのクラブに背伸びして移籍するよりは、試合に出場でき、自分の能力を高め、その上で実力を高めて、次のステップに移行することが望ましいと考えます。
サッカー選手にとっての1年というのは非常に短い現役生活の中で貴重な時間になるため、選手にとってどのような決断をするかはその後のサッカー人生に大きな影響を与えることとなります。
もちろん、最初は試合に出れなくても、普段の練習の取り組みから試合に出場する機会を増やしていける選手もいるので、一概に言える話ではありません。
コロナの影響が続き、どのクラブも経営状況は厳しいため、選手の契約交渉においても、これまでよりも厳しい提示がなされることが多いかと思います。
最近では、三浦知良選手が出場機会を求めての移籍を希望と報道され話題になっていますが、どのカテゴリーであっても選手が実際にプレーをしている姿を見たいと思います。
シーズンは終わりましたが、チーム編成を行っている強化部や選手の仲介人をされている方々にとっては、1年で最も忙しいシーズンの始まりとなります。