法律Q&A
相続開始後に遺産である自宅不動産に無償で居住することができるか(配偶者短期居住権)

遺産である不動産は、遺産分割により取得者が決定するまで、相続人間の共有状態となります。
共有者である各相続人は、遺産である不動産全体を法定相続分に応じて使用収益する権利を有します。
相続人のひとりが遺産不動産を単独で使用(居住することを含みます。)する場合には、自己の相続分を超える使用について、他の相続人に対し対価を支払うことが必要となる場合もあります。
しかし、相続開始時に亡くなった方の所有する不動産に無償で居住していた配偶者は、一定期間、居住していた不動産に無償で居住することが認められています(民法1037条)。これを配偶者短期居住権といいます。
配偶者短期居住権利によって、配偶者が無償で不動産に居住することができる期間は、配偶者が不動産の遺産分割の当事者となるかにより変わります。
配偶者が不動産の遺産分割の当事者となる場合には、相続開始から6か月、もしくは遺産分割において不動産の取得者が確定してから6か月のいずれか遅い日までの間になります。
他方、配偶者が遺産分割の当事者とならない場合には、建物を取得した者が配偶者短期居住権の消滅を申し入れた日から6か月になります。