小沼 正毅のブログ
養育費の不払い問題について
2021年03月31日

001323227.pdf (moj.go.jp)

厚労省の資料によると、養育費8割近い方が支払いを受けられていないというデータがあります。養育費の不払が起きる問題としてはいくつかのパターンがあるように思います。

1 そもそも離婚時点で養育費に関する取り決めを全くしていない事例

2 離婚時点で養育費の取り決めをしているが、口頭での取り決めだけで
  ある場合       

3 離婚時点で養育費の取り決めをしているが私文書での取り決めである
  場合

4 離婚時点で公正証書、裁判所を介して養育費の取り決めをしたが、相手  
  方が任意の支払をしてくれない場合

この中で4番のケースであれば、相手方の財産に対して強制執行をすることで養育費の回収を図ることができますし、相手方が職を転々とする、居場所がわからない等の事情がなければ、給与の差押えなどで回収が見込める確率が高いといえます。

 厚労省のデータによると、5割以上の方がそもそも養育費の取り決めをしていないという結果となっており、離婚時点で養育費を明確に取り決める習慣が定着していないことが問題の1つにあるのではないかと思います。

 当然、養育費は子供を育てていくために必要なお金ですので、親権者のみならず子供にとっても重要な権利であるといえます。

 養育費の不払い問題については、まずは、離婚時点で養育費をどのように取り決めておくべきかが重要になり、公正証書の作成をすることを強く推奨いたします。

 公正証書、裁判所を介して定めた養育費の取り決めについて相手方が任意の支払に応じない場合には、相手方の給与、その他の財産を差し押さえることで養育費の回収を図ることは可能です。

 2020年4月の民事執行法の改正によって、以前と比べ、養育費の回収はより容易になりました。

 相手が任意に支払いをしないからという理由だけで、養育費の回収を断念しないでいただきたいと思います。