当事務所では、小沼正毅、芳林貴裕の2名が第1回FIFA FOOTBALL AGENT EXAMに合格しました。今後FIFAの規則改正により、2023年10月1日以降はライセンスを保有していないエージェントは弁護士であっても選手の海外移籍には関与することはできなくなります。
FIFAの規則改正は、報酬規制の上限規制など、物議を醸す問題点もあるものの、エージェント業務について厳格なルールを設定し、エージェント業務の透明化を図るものであり、制度改正の趣旨そのものについては、賛同しております。これまでの仲介人制度では、問題の多い仲介人業務の事例も多くみられ、問題事例に巻き込まれた選手からの相談にも多数対応してきました。これからは、専門的な知識を有し、FIFAの規則を遵守できる方がエージェント業務を行うことで、不要なトラブルが減少することを期待しております。
そこで、今後多くの方がFIFA FOOTBALL AGENT EXAMに合格し、規則を守って適切なエージェント業務を行うようになることを望んでおります。私も、そのような業務に関心がある方に対しては積極的な情報提供をしていきたいと考えております。
全ての方に個別対応をすることは難しいのですが、私と直接面識がある方、又はその方の紹介者であれば、できる範囲で試験対策に向けた情報提供をしていきたいと考えております。
2023年の9月の試験を受験しようと考えている方については、個別にご連絡いただければ、可能な範囲で実際の試験の情報、試験対策の方法などの情報提供をさせて頂きますので、ご連絡お待ちしております。(大変申し訳ありませんが、面識のない方からのお問合せについては対応致しかねますので予めご了承下さい。)
今年4月19日に行われました第1回FIFA FOOTBALL AGENT EXAMに当事務所の小沼正毅、芳林貴裕弁護士が合格しました。2015年以来、FIFAは仲介人制度を導入し、その後はライセンス試験を行うことはありませんでしたが、2022年12月16日の規則改正の承認により、2023年10月1日以降、フットボールの国際移籍に関するエージェント業務を行う場合には弁護士や親族であってもFIFAの試験に合格することが必要となりました(旧ライセンス制度の合格者は除く)。
試験は、英語、フランス語、スペイン語での受験であり、日本語で受験する選択肢はなく、日本人にとってはややハードルが高い試験だと考えられていました。実際に、この試験に向けて勉強を始めるにあたり、何から勉強をしたらよいかについては日本での情報は非常に少なく、対策をすること自体に大きな困難を抱えておりました。
幸い、海外で活躍をされているスポーツローヤーが、試験対策の情報提供を積極的に行っており、私達も海外のスポーツローヤーの提供する情報をもとに対策を重ねてきました。
既に、何名かの選手の海外移籍には関わっていたことから、初回の試験で無事に合格でき、引き続き選手の海外移籍に関われることになったことは大変嬉しく思います。
今回のFIFAの改正により、2023年9月30日までに、日本国内のエージェント規則も変更をする必要があり、その多くの部分はFIFAの規則に準じたものとなります。
2023年10月1日以降、ライセンス保有をしていないエージェントのサービス提供は禁止され、ライセンスのないエージェントを関与させた場合、選手側も制裁を受ける可能性があり、実務に非常に大きな影響を及ぼす改正となっております。
今回の制度改正の詳細については、また後日触れたいと思います。
当事務所では、2名の弁護士が試験に合格していることから、FIFAの規則改正に関連する選手契約(選手側の相談)、海外移籍に関する選手からの法律相談について、当面の間無料で相談対応いたします。
また、ライセンスを取得しておらず、取得予定のない仲介人との仲介契約をしている選手の方に対する法的助言についても当面の間無料で相談対応いたします。
相談数が多い場合、対応するまでに少しお待ちいただくこともあるかもしれませんが、制度改正について理解を深めておくことは選手側にとっても非常に重要となりますので、遠慮なくお問い合わせください。
弁護士 小沼正毅
弁護士 芳林貴裕
私のヨーロッパでのビジネスパートナーである、SPG SPORTS代表のAlex Sapegaとの協力により、この度の東京グレートベアーズとPallavolo Padovaとの戦略的パートナーシップ締結についてAlexをサポートする立場で関与させていただきました。
私とAlexとは、AlexがAS ROMAの広報担当として働いていた際、AS ROMA CAMP in Japanの開催のために一緒に仕事をしたことが縁でその後もスポーツビジネスの分野で協力して活動をしてきておりました。
サッカーなどの分野では昨年AS ROMAと名古屋グランパスがパートナーシップを提携するなど、様々な例がありますが、バレーの世界では、他に例を見ない先進的な取り組みではないかと思います。
スポーツを通じて世界を繋ぐことが、私のスポーツ分野での活動目的の1つではありますが、今回はサッカーではなくバレーの分野ではありますが、大好きなイタリアのチームと日本のチームがパートナーシップを締結し、今後双方の交流が進むことが期待され、大変嬉しく思います。
今後両クラブの交流は色々な面で行わることなりますが、両クラブの交流を通じて、両クラブの発展、バレー界の発展を期待しております。
東京グレートベアーズ イタリア・セリエA『パッラヴォーロ・パドヴァ』と、バレーボール界初の戦略的クラブパートナーシップを締結|株式会社グレートベアーズのプレスリリース (prtimes.jp)
誠に勝手ながら,足利事務所,高崎事務所は,それぞれ以下の日を休業とさせていただきます。ご迷惑をおかけしますが,何卒よろしくお願い申し上げます。
足利事務所 令和5年5月3日水曜日から令和5年5月7日日曜日(カレンダーどおりとなります)
高崎事務所 令和5年4月29日土曜日から令和5年5月7日日曜日(5月1日、5月2日は休業となります)
2022年12月から受講をしておりましたMission Sports Business Schoolの第7期の講義が2月21日で終了しました。約3か月間、週2コマ各2時間の授業と、いくつかのグループワーク発表を行いました。また、アウティングでは、秋田ノーザンハピネッツの試合を視察に行き、普段あまり触れることのないサッカー以外の競技の試合運営などを勉強することもできました。
講師の満田哲彦さんの授業内容は非常に充実していて、スポーツビジネスの全体像をわかりやすく教えていただけました。
また、スポーツクラブの関係者、スポンサー企業、現役のスポーツ選手、広告代理店の方など、実際に現在進行形でスポーツビジネスに関わっている方々の参加も多く、参加している生徒の方からも学ぶ機会が大変多かったです。
普段どうしても、サッカー中心で物事を考えてしまいがちでしたが、異なる競技、異なる立場の方達との交流ができたことで、以前より広い視野でスポーツビジネスを理解できるようになり、そのことから、自分の知識経験から、どのようにスポーツビジネスに関わっていったらよいかという点も再認識できました。
やはり、自分は弁護士として活動してきた時間が長いので、その点を活かしつつ、サッカーの活動を通じて知り合った世界中の方との接点を活用し、人と人、クラブとクラブ、クラブと企業などをつなぎ合わせる活動をしていきたいと思うようになりました。
MSBSの卒業生は現在進行形でスポーツビジネスの世界で多大な活躍をされている方ばかりなので、私も、MSBSで学んだことを活かしつつ、自分にできることを続けていこうと思います。
背景として勉強すべきことの概略は理解できたので、これからは実践をして、結果を残していくことを意識して活動してまいります。
2023年の年始、Stadio Olimpicoで行われたAS ROMAとボローニャの試合を見に行きました。試合の前日は、AS ROMA女子チームで大活躍中の南萌華選手にもお会いできました。南選手の通訳をやっているエマヌエルは、ローマキャンプを開催した2019年から交流があり、昨年のAS ROMAのジャパンツアーでも通訳として活躍していました。
この時、ローマ女子チームはチャンピオンズリーズベスト8の進出が決まっており、対戦相手は未定の状態でしたが、南選手はバルセロナと試合がしてみたいと話しておりましたが、その後の抽選の結果、ベスト8はバルセロナとの対戦となりました。
南選手には、チャンピオンズリーグの制覇と、今年7月に開催される女子ワールドカップでの優勝を期待しています。
1月4日のボローニャとの試合では、ホスピタリティエリアの見学をしたかったこともあり、ホスピタリティエリアに入れるチケットを購入しました。モウリーニョ監督が就任して以降、オリンピコでのホームゲームは毎試合ほぼ満席であり、この試合も一般席を購入することはできませんでした。ディバラ選手の加入もあり、ローマが以前よりも人気を取り戻してきていることを実感しました。
オリンピコでの試合観戦は、2015年以来でしたが、スタジアムの運営、ホスピタリティの充実など、色々な面で改善がされていると感じました。
入口のチケットチェックの際には身分証の確認も求められ、これまでヨーロッパでのサッカー観戦で身分証の提示を求められたことは一度もなかったので、ローマがこのような点も配慮して対応していることに驚きました。
ホスピタリティエリアでは豊富なドリンクや、食事、デザートなどが用意されており、ホテルのビュッフェのような感じで試合前やハーフタイムの時間を楽しく過ごすことができました。
スポンサー企業やスポーツを通して企業間の交流を考えている企業などに広く利用されているとのことでした。
コロナの影響もあり、長い期間交流ができていなかったイタリアの弁護士の友人にも久々に会うこともでき、充実した滞在となりました。


当事務所で弁護人を務めておりました入江利和氏の強制わいせつ被疑事件について、令和5年3月10日付で正式に不起訴処分になりました。既にメディアでの不起訴処分報道がありましたが、一部メディアから逮捕時に実名報道をされ、不起訴処分時の報道には実名での報道がなされなかったこともあり、本件の経緯について入江氏本人と協議の上、説明をすることに致しました。
入江氏は令和5年1月23日に強制わいせつの容疑で逮捕されましたが、当初から入江氏は事件を否認しておりました。入江氏の身柄拘束は、処分保留で釈放された令和5年2月10日まで続きましたが、それまで一貫して容疑を否認しておりました。
その後、令和5年3月10日付けで正式に本件は不起訴処分となりました。
入江氏は、当初から事件を否認し続けており、当然不起訴の処分は示談などによるものではありません。
報道によれば、検察は不起訴の理由を明らかにしていないとされておりますが、強制捜査を行う権限を有する捜査機関が捜査を尽くし、入江氏の長期間の身柄拘束を行い、十分な取り調べを行った結果、入江氏に対する被疑事実を立証するだけの十分な証拠がなく、不起訴に至ったものであり、入江氏の主張が認められたものと考えております。
本件は警察からの任意の事情聴取に応じて出頭した際、そのまま逮捕された事案であり、そもそも入江氏に罪証隠滅や逃亡のおそれはなく、逮捕勾留の必要のない事案であったと考えております。入江氏が元プロサッカー選手であり、逮捕の際に一部実名報道をされていることを考慮し、本件について誤った認識を持たれないよう、経緯を簡略に説明させていただきました。
弁護士 小沼正毅
誠に勝手ながら,足利事務所,高崎事務所は,令和4年12月29日から令和5年1月3日まで休業とさせていただきます。ご迷惑をおかけしますが,何卒よろしくお願い申し上げます。
連帯貢献金は、プロ選手が所属クラブとの契約期間中に海外クラブに移籍し、移籍金が発生する場合に、移籍金の一部をその選手の育成に貢献したクラブに分配する制度です。
1 連帯貢献金制度の内容
連帯貢献金制度は、あるクラブとの契約期間中の選手が、別のサッカー協会に属するクラブに移籍する場合(=国際間移籍)に適用されます。契約期間満了時などに別クラブと契約する場合には移籍金が発生しないため、連帯貢献金制度は適用されません。
移籍金が発生せず連帯貢献金制度が適用されない場合であっても、育成補償金制度(Training Compensation)が適用される可能性があります。
2 連帯貢献金の算定方法
選手が移籍する際に発生する移籍金の5%が、連帯貢献金として、選手が12〜23歳までの間の12年間に在籍したクラブに分配されます。連帯貢献金を受け取る権利を有するクラブは、上記期間内に選手が在籍していたクラブになりますが、レンタル移籍で獲得し、選手登録をしていたクラブも連帯貢献金を受け取る権利を有します。
連帯貢献金の具体的な分配割合は下の表のとおりとなります。
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育成クラブ |
当該クラブの受け取る割合 |
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12歳の誕生日を含むシーズンに所属したクラブ |
連帯貢献金の5% (移籍金の0.25%) |
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13歳の誕生日を含むシーズンに所属したクラブ |
連帯貢献金の5% (移籍金の0.25%) |
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14歳の誕生日を含むシーズンに所属したクラブ |
連帯貢献金の5% (移籍金の0.25%) |
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15歳の誕生日を含むシーズンに所属したクラブ |
連帯貢献金の5% (移籍金の0.25%) |
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16歳の誕生日を含むシーズンに所属したクラブ |
連帯貢献金の10% (移籍金の0.5%) |
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17歳の誕生日を含むシーズンに所属したクラブ |
連帯貢献金の10% (移籍金の0.5%) |
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18歳の誕生日を含むシーズンに所属したクラブ |
連帯貢献金の10% (移籍金の0.5%) |
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19歳の誕生日を含むシーズンに所属したクラブ |
連帯貢献金の10% (移籍金の0.5%) |
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20歳の誕生日を含むシーズンに所属したクラブ |
連帯貢献金の10% (移籍金の0.5%) |
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21歳の誕生日を含むシーズンに所属したクラブ |
連帯貢献金の10% (移籍金の0.5%) |
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22歳の誕生日を含むシーズンに所属したクラブ |
連帯貢献金の10% (移籍金の0.5%) |
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23歳の誕生日を含むシーズンに所属したクラブ |
連帯貢献金の10% (移籍金の0.5%) |
3 具体例
イタリアセリエA所属クラブに在籍する26歳のプロ選手が、クラブとの契約期間中に移籍金30億円でイングランドプレミアリーグ所属のクラブに移籍するとします。
この場合、移籍金の5%である1億5000万円が連帯貢献金として、12歳の誕生日を含むシーズンから23歳の誕生日を含むシーズンまで在籍したクラブに分配されます。
この選手が、12歳のときに地元の少年サッカーチームに所属し、13歳から15歳までの間をJクラブのジュニアユースチーム、16歳から18歳までの間を県立高校のサッカー部、19歳から22歳までの間を私立大学のサッカー部にそれぞれ所属し、22歳でJクラブとプロ契約を締結し23歳まで同クラブに所属、24歳でイタリアセリエA所属クラブに移籍し、26歳まで同クラブに在籍した場合に、各クラブの受け取るこのできる連帯貢献金の分配額は以下のようになります。
少年サッカーチーム:(連帯貢献金の5%)×1年間=750万円
Jクラブのジュニアユースチーム:(連帯貢献金の5%)×3年間=2250万円
県立高校サッカー部:(連帯貢献金の10%)×3年間=4500万円
私立大学サッカー部:(連帯貢献金の10%)×4年間=6000万円
Jクラブのトップチーム:(連帯貢献金の10%)×1年間=1500万円
なお、選手が23歳の誕生日を迎えるシーズンより後のシーズンに在籍した期間については、連帯貢献金は発生しません。
4 まとめ
サッカー界では、年々移籍金が高騰しており、これに伴い育成クラブが手にする連帯貢献金の額も高額になることが増えています。
さらに、連帯貢献金は、選手が国外移籍をする度に発生するため、育成クラブは、連帯貢献金を複数回受け取ることができる可能性もあります。そのため、育成クラブは、連帯貢献金として、多大な経済的利益を享受できる可能性があります。
また、連帯貢献金は、レンタル移籍により選手を獲得していたクラブも受け取る権利を有するため、経済面から有望な若手選手を獲得することが難しいクラブであっても、レンタル移籍により選手を獲得し、育成することで、若手選手の育成の和に入ることができる制度といえます。これは、クラブにとってだけでなく、若手選手にとっても、育成の場が拡大されるという意味で大きなメリットがあります。
連帯貢献金制度によって、若手選手の育成市場はより活性化されているといえるでしょう。
当事務所では、連帯貢献金請求に関する業務を行なっておりますので、連帯貢献金の請求手続きにお困りの方はご相談ください。
育成補償金は、選手が他クラブとプロ契約をしてクラブを離れる場合や、若手選手が契約期間満了時に移籍金なしで他クラブに移籍する場合に、選手を獲得するクラブが育成クラブや移籍元クラブに対して育成の対価を支払う制度です。
1 育成補償金制度の内容
育成補償金制度は、①選手が初めてプロ契約をした場合、②プロ選手が23歳の誕生日を迎えるシーズンまでの間に国際間移籍が行われた場合の2つのケースで適用されます。
選手が初めてプロ契約を締結する際、契約クラブが海外のクラブであった場合には、①のケースとして育成補償金制度の適用があります。プロ契約をした選手が23歳までの間に国際間移籍をした場合には、②のケースとして育成補償金制度の適用があります。選手が23歳までの間に複数回の国際間移籍をした場合には、その都度育成補償金が発生します。
国内移籍の場合には、FIFAの規定する育成補償金制度は適用されませんが、JFAの規定するトレーニング補償金制度の適用があります。また、女子サッカー選手についてはFIFAの規定する育成補償金制度の適用はなく、JFAの規定するトレーニング補償金制度が適用されます。
育成補償金を負担するクラブと、これを受け取る権利を有するクラブは、①のケースと②のケースで異なります。
①のケース(初めてのプロ契約時)では、選手とプロ契約を締結したクラブが育成補償金を負担し、育成期間(12歳の誕生日を含むシーズンから21歳の誕生日を含むシーズンの10年間)に選手の育成に携わったクラブが育成補償金を受け取る権利を有します。
②のケース(国際間移籍時)では、移籍したプロ選手の移籍先クラブが育成補償金を負担し、移籍元クラブが育成補償金を受け取る権利を有します。
以上の内容をまとめると下の表のとおりになります。
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①のケース |
②のケース |
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適用対象 |
選手が初めてプロ契約を締結した場合 |
プロ選手が23歳の誕生日を迎えるシーズンまでの間に国際間移籍が行われた場合 |
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受取権利 |
育成期間(12歳の誕生日を含むシーズンから21歳の誕生日を含むシーズンの10年間)に選手の育成に携わったクラブ (=育成クラブ) |
直前に所属していたクラブ (=移籍元クラブ) |
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支払負担 |
プロ契約を締結したクラブ |
移籍先クラブ |
2 育成補償金額の算定方法
FIFAは、大陸連盟、各国協会などにより、各クラブを4つの「カテゴリー」に分類し、カテゴリーごとに「育成費(Training cost)」を設定しています。
育成補償金の額は、選手とプロ契約を締結したクラブ(①のケース)又は移籍先クラブ(②のケース)の所属するカテゴリーの「育成費」に、育成クラブ(①のケース)又は移籍元クラブ(②のケース)での育成期間(12歳の誕生日を含むシーズンから21歳の誕生日を含むシーズンの10年間)における所属年数を掛けて算出されます。なお、育成補償費が不当に高額になることを防止するため、12歳の誕生日を含むシーズンから15歳の誕生日を含むシーズンまでの4シーズンの「育成費」は、カテゴリーⅣのクラブの「育成費」で計算するものとされています。
育成補償金額 = 育成費 × 育成期間における所属年数
「育成費(Training cost)」は毎年末に更新されますが、2021年に公表されたカテゴリーごとの育成費は下の表のとおりとなっています。
【FIFA Training cost and categorization of clubs for2021】
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大陸連盟 ・ カテゴリー |
カテゴリーⅠ |
カテゴリーⅡ |
カテゴリーⅢ |
カテゴリーⅣ |
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アジアサッカー連盟 (AFC) |
― |
520万円 |
130万円 |
26万円 |
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アフリカサッカー連盟 (ACF) |
― |
390万円 |
130万円 |
26万円 |
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北中米カリブ海サッカー連盟 (CONCACAF) |
― |
520万円 |
130万円 |
26万円 |
|
南米サッカー連盟 (CONMEBOL) |
650万円 |
390万円 |
130万円 |
26万円 |
|
オセアニアサッカー連盟 (OFC) |
― |
390万円 |
130万円 |
26万円 |
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欧州サッカー連盟 (UEFA) |
1260万円 |
840万円 |
420万円 |
140万円 |
(1USD=130円,1EUR=140円で計算)
3 具体例
⑴①のケース
Jリーグ所属クラブのユースチーム在籍の18歳の選手が、イングランドプレミアリーグ(UEFA・カテゴリーⅠ)所属のクラブと初めてのプロ契約をしたとします。
この場合、選手が12歳の誕生日を含むシーズンから18歳の誕生日を含むシーズンまでの間に、この選手が在籍していたクラブが育成クラブとして育成補償金を受け取る権利を持ちます。
例えば、この選手が12歳のときに地元の少年サッカーチームに所属し、13歳~15歳までJリーグ所属クラブのジュニアユースチームに、16歳~18歳まで同クラブのユースチームに所属していたとすると、少年サッカーチームは140万円(UEFA・カテゴリーⅣの育成費×1年間)、ジュニアユースチームは420万円(140万×3年間)、ユースチームは3780万円(UEFA・カテゴリーⅠの育成費×3年間)をそれぞれ受け取る権利を有します。
⑵②のケース
Jリーグ所属クラブに在籍する22歳のプロ選手が、イングランドプレミアリーグに移籍するとし、この選手が18歳の誕生日を含むシーズンから同Jクラブに所属していたとします。
この場合、この選手は育成期間(12歳~21歳)において、同Jクラブに3年間在籍していたことになるので、育成補償金の額は3780万円(1260万円×3年間)になります。
4 まとめ
近年、欧州トップリーグのクラブが自クラブの下部組織で育成した選手をトップチームで活躍させるケースが増えており、若手選手の発掘・育成がクラブ全体に及ぼす影響は大きくなっており、各クラブは世界中から有望な若手選手を青田買いし、育成に励んでいます。そのため、日本国内の将来有望な若手選手が、海外クラブからプロ契約の打診を受けたり、移籍のオファーを受ける機会が更に増加していくことが予想されます。
育成補償金制度は、若手選手が移籍金なしでクラブを離れる場合にも、育成クラブが選手を育成した対価を享受することができる制度であり、育成に携わったクラブに育成の対価を分配する制度として有効です。育成補償金制度により、育成クラブに適切な対価が分配され、次の選手の育成に活用されることで育成の循環が生まれることを期待します。
