電化製品などによくありますが、新品を購入する際に、使用済み品を下取りに出すことがあります。
新品の販売業者が、使用済み品を有償で下取りする場合、古物の買取行為として、古物営業法上の古物営業の許可が必要とも思えます。
また、使用済み製品を無償で下取りする場合には、廃棄物の引き受けとして、廃掃法上の廃棄物収集運搬の許可が必要とも思えます。
1 古物営業法との関係
この点について、通知(令和4年4月1日付け警察庁丁生企発第199号)において、新品を販売する業者が行なう下取りが、いわゆる「サービス」として行なう値引きとして捉えることができるときは、古物営業に当たらないと解釈されています。
また、「サービス」として行なう値引きといえるかの基準について、①下取りした古物の対価として金銭等を支払うのではなく、販売する新品の本来の売価から一定金額が差し引かれる形であること、②下取りが「サービス」の一環であるという当事者の意思があること、③下取りする個々の古物の市場価格を考慮しないことの各要件を満たす場合には、「サービス」として行う値引きといえるとしています。
使用済み品を査定した上で値引き額を決定するような場合には、下取り対象となる特定の古物の市場価格を考慮しているといえますので、③の要件を満たず、古物営業の許可が必要となります。
2 廃掃法との関係
この点について、通知(平成12年9月29日付け衛産第79号)において、「新しい製品を販売する際に商慣習として同種の製品で使用済みのものを無償で引き取り、収集運搬する下取り行為については、産業廃棄物収集運搬業の許可は不要である」と解釈されています。
3 無許可営業の罰則
前述のとおり、一定の要件を充足する場合には、古物営業法、廃掃法の業の許可を得ずに使用済み品を下取りすることが可能と解釈されています。
他方、要件を充足しない場合には、業の許可が必要になります。
業の許可が必要であるにも関わらず、無許可で下取りを行なった場合、古物営業法ないし廃掃法の罰則の対象となります。
無許可営業の場合、古物営業法は、3年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金又はその両方(古物営業法31条及び36条)、廃掃法は5年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金又はその両方(廃掃法25条)の罰則を定めています。
さらに、無許可営業は業の許可の欠格要件となるため、一定期間、業の許可を取得することができなくなります。
遺産である不動産は、遺産分割により取得者が決定するまで、相続人間の共有状態となります。
共有者である各相続人は、遺産である不動産全体を法定相続分に応じて使用収益する権利を有します。
相続人のひとりが遺産不動産を単独で使用(居住することを含みます。)する場合には、自己の相続分を超える使用について、他の相続人に対し対価を支払うことが必要となる場合もあります。
しかし、相続開始時に亡くなった方の所有する不動産に無償で居住していた配偶者は、一定期間、居住していた不動産に無償で居住することが認められています(民法1037条)。これを配偶者短期居住権といいます。
配偶者短期居住権利によって、配偶者が無償で不動産に居住することができる期間は、配偶者が不動産の遺産分割の当事者となるかにより変わります。
配偶者が不動産の遺産分割の当事者となる場合には、相続開始から6か月、もしくは遺産分割において不動産の取得者が確定してから6か月のいずれか遅い日までの間になります。
他方、配偶者が遺産分割の当事者とならない場合には、建物を取得した者が配偶者短期居住権の消滅を申し入れた日から6か月になります。
金融機関が、口座開設者が亡くなったことを把握すると、亡くなった方名義の預金を凍結します。
そして、亡くなった方の預金は相続人の準共有となるため、相続人全員の合意がない限り、払い戻しを行なうことはできないのが原則です。
ただし、各相続人は、預金債権の3分の1に法定相続分を乗じた額の限度で、単独で、亡くなった方の預金の払い戻しを行なうことが可能です(民法909条の2)。
そのため、相続人は、遺産分割協議前の段階において、一定の限度で、単独で亡くなった方の預金の払い戻しを行なうことが可能です。
相続人が、民法909条の2の規定に基づいて払い戻しを行なった場合、遺産の一部を分割取得したものとして扱われるため、遺産分割における取得分は、払い戻しを行なった分だけ減少します。
なお、相続人の払戻金額が、相続分を超過する場合には、遺産分割において超過分を精算することを要します。
相続放棄は、亡くなった方の財産と債務も一切承継しないこととするための手続きです。
そのため、相続放棄を行なう場合に、亡くなった方の財産を取得することはできません。
しかし、被相続人に多額の債務があるため相続放棄をしたものの、遺産である自宅不動産に居住しており、自宅不動産のみ取得を希望することもあるかと思います。
この場合、相続放棄をした上で、相続財産清算人を選任し、相続財産清算人から特定の財産を買取ることが考えられます。
相続財産清算人とは、相続人がいない亡くなった方の財産を清算する業務を行なう者で、亡くなった方の財産を処分する権限を有します。
相続財産清算人から特定の財産を取得する場合には、相続財産清算人選任の申立て費用や特定の財産の取得するための費用がかかるため、相続する場合と比較して経済的メリットがあるかは慎重に検討する必要があります。
なお、被相続人に多額の債務がある場合、遺産である不動産等に担保が設定されていることが想定されますので、注意が必要です。
また、次順位の相続人がいる場合、相続放棄を行なうと次順位に相続権が移転し、相続財産清算人を選任することができないため、この点も注意を要します。
相続放棄は、亡くなった方の財産と債務も一切承継しないこととするための手続きです。
そのため、相続放棄を行なう場合には、亡くなった方の財産を取得することはできません。
亡くなった方の加入していた保険の保険金を受け取ることができるかは、保険金の性質によって変わります。
相続人が受取人として指定されている死亡保険金は、亡くなった方の財産ではなく、受取人固有の財産と扱われるため、相続放棄をしたとしても受け取ることは可能です。
他方、医療保険の入院給付金など、亡くなった方が受取人となる保険金は、亡くなった方の財産になりますので、相続放棄をする場合には受け取ることはできません。
仮に、亡くなった方の財産を取得してしまうと、単純承認をしたとみなされ、相続放棄をすることができなくなることがありますので注意が必要です。
相続放棄は、亡くなった方の財産と債務を一切承継しないこととするための手続きです。
相続放棄の手続きは、申述書と必要資料(主に相続関係の分かる戸籍等)を取得し、亡くなった方の住所地を管轄する家庭裁判所に提出すれば足りますので、ご自身で行なうことも可能かと思います。
ただし、相続の開始から3ヶ月以上経過した段階で相続放棄の申述を行なう場合には、相続の開始等を知ったことが遅れた事情を裁判所に説明する必要があります。
また、相続関係の分かる戸籍等を揃えるに当たっては、亡くなった方が複数回本籍地を変更している場合や、離婚歴がある場合などには、必要戸籍等の取得に時間を要することもあります。
相続放棄は申述期間の制限がありますので、期間内に必要戸籍を全て取得しなければなりません。
そのため、相続開始から3ヶ月以上経過しており事情の説明が必要な場合や、期間内に戸籍を取得することに不安がある場合には、弁護士に依頼することをお勧めいたします。
遺言書を作成する目的のひとつとして、自身の死後に、相続人間で紛争が発生する防止することが考えられます。
遺言書において、全ての財産の分け方を定めておけば、遺産の分割の方法で紛争が生じるリスクは低くなります。
ただし、相続人には、相続における最低限の取得する持分(遺留分といいます)があります。
遺言書での定めた分割方法によって、相続人の一部が遺留分に満たない財産しか取得することができない場合には、遺留分を害された相続人は、法定相続分を超えて遺産を取得した相続人に対して、遺留分を侵害された分の金銭を請求することが可能です。
例えば、遺言書により、遺産の全てを相続人のひとりに取得させることとした場合には、他の相続人の遺留分を害することが考えられます。
そのため、遺産の分割方法で紛争が生じなかったとしても、遺留分侵害額の請求という形で相続人間の紛争が生じる可能性があります。
遺言書を作成するためには、遺言の内容を把握し、遺言によりどのような効果が発生するかを理解できる能力(遺言能力といいます)が必要です。
認知症に罹患していたとしても、遺言能力が認められる場合には、遺言を作成することはできます。
遺言能力の有無の判断は、遺言書作成者の精神上の障がいの有無・内容・程度だけでなく、遺言書の内容、遺言書作成の動機や遺言書作成に至る経緯等の事情も考慮してなされます。
そのため、遺言書の作成者が認知症であることや認知症の程度のみで遺言能力の有無が決するわけではありません。
例えば、遺言の内容が複雑な場合にはより高度な能力が要求されます。
遺言者の作成者が遺言当時に認知症であった場合、相続開始後に遺言能力の有無が問題とされることは少なくありません。
そこで、認知症に罹患された方が遺言書を作成する場合は、証人の立会いを要する公正証書遺言の方式を用いる必要性が高いといえます。
また、遺言の内容は簡単なものにした方が、遺言能力が無効とされるリスクを低減することができます。
そして、遺言を作成することとした経緯や動機を遺言書の付言事項として記載することで、遺言能力があったこと示す事情となることもあります。
遺言書の作成方式は複数ありますが、最も多く使われているのが、自筆証書遺言と公正証書遺言になります。
自筆証書遺言は、自分で作成することができ、費用もかからないため、最も手軽に遺言を作成することができます。
他方、自筆証書遺言は、要式を充たさないおそれがあるほか、作成後の偽造、変造の可能性もあるため、有効性が否定される可能性があります。
また、証人等の立会いを要しないため、作成時の状況が分からず、作成時の遺言能力の有無が問題とされることも少なくありません。
公正証書遺言は、公証役場において、所定の方式に則って作成するため、手続き的な負担があり、費用もかかります。
ただし、証人の立会があり、作成後の公正証書遺言は公証役場で保管されるため、自筆証書遺言と比べ、有効性が否定されるリスクは低いといえます。
遺言は、遺産の帰属など死後において自身の意思を反映させる重要なものであるため、手続き的な負担や費用がかかったとしても公正証書遺言の方式で作成することをお勧めします。
修理や買替えのために代車を利用した場合、代車使用料が損害として認められます。
事故車が高級外車である場合、事故車と同等グレードの高級外車を代車とする代車費用が認められるかという問題があります。
裁判例では、代車として、高級外車を使用する合理的理由が認められない限り、国産高級車を代車とする代車費用の限度で損害として認められるとするものがあります。
実際に、保険会社より、事故車より低いグレードの車両を代車とする代車費用の限度でしか損害を認めないと主張されることもあります。
ただし、事故がなければ事故車両を使用することできたことを考慮し、事故車両と同等グレードの代車の代車費用が損害として主張することができるケースもあります。
