法律Q&A
【後遺障害逸失利益】むち打ち損傷を原因とする神経症状が後遺障害に認定された場合、労働能力喪失期間は限定されるか

むち打ち損傷に起因する神経症状が後遺障害に認定されると、後遺障害逸失利益を請求することができます。
後遺障害逸失利益とは、後遺障害が残存し労働能力が制限されることによる、将来にわたる減収分の損害をいいます。
後遺障害は、一般的には、永久的に残存するものとされるため、後遺障害逸失利益の算定において減収を考慮する期間(労働能力喪失期間といいます)は、症状固定時から就労可能年数までの期間とされます。
しかし、むち打ち損傷に起因する神経症状は永久的に残存することが明確といえないことが多くあります。
そこで、実務上、むち打ちに起因する神経症状の後遺障害については、労働能力喪失期間を制限して、損害を算定しています。
むち打ち損傷に起因する神経症状は、12級もしくは14級の後遺障害に認定される可能性があります。
裁判例では、12級の場合に労働能力喪失期間を10年程度に制限し、14級の場合に5年程度に制限する例が多いとされています。